**Gute Nacht, bis Morgen.**
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「あたしとあんたは双子なわけだけど」
「ん?どしたのいまさら。改まっちゃって」
「今日学校で習ったの。同性の双子ってもともとひとりだったのよ」
「げえ」
「げえ、ってなによ。げえって」
「ううん、そんで?」
「だから、あたしとあんたは双子で、もともとひとりだったはずなのに、なんでこんなに性格が違うのかなって」
「違うかなあ」
「違うわよ」
「そうかなあ」
「そうよ」
「…で?何がいいたいの、結局」
「ううん、別に」
「なにそれ。」
「………」
「何よ」
「…もともとひとり、かあ」
「嬉しい?」
「悲しい」
「どうして」
「だって、なんで二人にわかれちゃったんだろうって」
「だめなの?」
「あたしとあんたは一つだったのに」
「…泣いてるの?」
「泣いてないよ。泣くわけないじゃん」
「変なの。でもさあ、なんかもともとひとり、ってすごいね」
「すごい?」
「なんか、特別って感じじゃん」
「とくべつ?」
「なかなかないよ、そんなの。もともとひとりだったあたしが、ここにこうして二人でいるなんて」
「…そんなもんかな」
「そんなもんよ。」
「でも、あたしたちひとつだったのに、今はこうして別々になっちゃった」
「だから、こうしてあたしたちおしゃべりできるし、手だってつなげるんだよ?ほら、こうやって」
「…うん」
「あたしはあんたにとって特別で、あんたはあたしにとって特別なのよ」
「うん」
「それが科学的に証明されてるわけだ!」
「うん?」
「全世界の公認なのよ!」
「???」
「…好きだよ」
「…あたしも、好き」
「とりあえず、愛も確認しあったことだし、寝ましょうか」
「そうだね…眠くなってきた」
「おやすみ」
「ん、おやすみ。また明日」




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双子の姉妹ってなんだかいいなあ。


2006.6.10





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